私の一番好きな場所は家である。6年前、念願の家を建てるため仕事から帰ると、鉛筆と定規を手に取り、素人ながら方眼紙に設計図を描いた。特に好きなの所は、天窓のある吹き抜けリビングだ。子どもの頃から「天井が高いといいのに」「屋根裏部屋があるといいのな」と思っていた。実際は屋根裏部屋は造らなかったが、リビングを吹き抜けにし、屋根を支える木の柱や梁が露出して見えるようにした。ダイニングキッチンもつなげて同じ空間にした。空間を大きくしたため強度の面では工夫が必要であり、工務店にいろいろお世話になった。家をなすのは、ほとんどが群馬県産で育った木々。地元の木が一番その土地の気候に適応できると考えて選んだ。大空間を支える大黒柱には、子どもたちの誕生日の伸長を毎年刻んでいる。リビングに2階への階段を造り、朝起きて階段を下りてくる家族に「おはよう」と声かけする場とした。子どもから怪獣役を頼まれて戦いごっごをしたり、段ボールや折り紙で工作したり、クワガタやカブトムシを育てたりする場でもある。このような、日の差し込む大空間、心温まる環境が何より好きだ。